<第二部:桃太郎の鬼退治 歴史編>
(その1 検証者達のティーパーティー)
「散らかっていますが・・・」
そう言いながら鞠絵は自室のドアを開けた。
「ぜ~んぜん。アニキの部屋よりはず~っとキレイだよね」
「にいさまのお部屋は本だらけですの。足の踏み場もないですのよ」
と,鈴凛と白雪による容赦ない言葉が航に浴びせられる。
「せめて研究熱心といってくれ」
航がささやかに抵抗するが,妹達は聞いていなかった。
「アニキ,『お掃除マシーン・ポイポイくん1号』を貸そうか?」
「その気持ちだけもらっておくよ。なんか片っ端から捨てられそうだ」
「あ,バレた?ゴミの分別には便利だよ」
「全部必要な本だから,捨てられたら困る!」
「でもあれだけ本があると,そのうちにいさまのお家の床が抜けるですの」
「分かってるんだけどね・・・」
そのやり取りを聞きながら,鞠絵は部屋の中央にある応接セットに3人を招いた。
「・・・どうぞこちらへ」
鞠絵の肩が小さく震えている。
顔をそむけているところを見ると,声に出して笑いそうになるのを我慢しているのだろう。
「あのさあ,鞠絵ちゃん」
鈴凛がニヤニヤしながら声をかける。
「・・・はい,なんですか?」
「我慢しない方がいいと思うよ。笑いたい時に笑っちゃえば?」
「いえ,でも兄上様に失礼ですし・・・」
「我慢されている方が失礼だってばさ。ね,アニキ」
「そうですの。我慢は健康に悪いですのよ」
「お前達はもうちょっと遠慮というものを覚えてくれ」
「へ~い」
「は~いですの」
「まったく心がこもっていない返事をありがとう」
航が憮然とした口調で言った。
耐えきれず鞠絵がクスクスと笑い出す。
「あのね・・・」
「あ・・・ごめんなさい,兄上様」
そう言いながらも鞠絵の目は笑っていた。
「いや・・・別にいいけどね・・・ところで鞠絵,紅茶をお願いできるかな?しゃべりすぎてのどが渇いたよ」
「先程は航先生の授業でしたからね。何がいいですか?」
「そんな立派なもんじゃないけど・・・アッサムがいいなあ」
「わかりました。じゃあミルクティーにしますね」
「よろしく」
「あ,姫も手伝うですの」
「私も何か手伝えることない?」
「じゃあ,スコーンを出してもらえますか?」
「了解!」
「えーと,俺は・・・」
「兄上様はお座りになってお待ちくださいね」
「そうですの。にいさまは座っててくださいですの」
「つまりジャマってことかな・・・」
「はいはい。アニキはここに座る」
鈴凛が航の背をぐいぐいと押して,ソファーに座らせた。
鞠絵と白雪が,ポットから紅茶を注ぐ。
鈴凛がスコーンをバスケットに盛りつける。
「アニキ,準備できたよ~」
「じゃあ,いただこうかな」
「はーい」
妹達の声が重なる。
白雪が一口スコーンをほおばり,驚きの声を上げた。
「このスコーンおいしいですの!」
「白雪ちゃんにそういってもらえるとうれしいです」
鞠絵がうれしそうに微笑む。
「鞠絵ちゃんが作ったんですの?」
「はい。お料理教室で・・・」
「むむむ,姫も油断できないですの。もっとがんばらなくちゃ,ですの」
白雪が考え込む。それを見て鈴凛が言った。
「うーん,料理か・・・私も『お料理マシーン・スーパーシェフくん1号』を改良しようかなあ」
「サンドイッチ以外の料理ができるようにな」
航にそう指摘され,
「うう,それを言われると・・・レシピはネットからいくらでもダウンロードできるのにさ,いざ料理を始めるとうまくいかないんだよね~。なんでだろ?」
と,頭を抱える。
「同じ食材を使っていても,季節とかで微妙に火加減を変えるって話は聞くしな。調理方法なら,白雪にも見てもらったらどうだ?」
「あ,そっか。白雪ちゃん,協力してくれる?」
「いいですのよ。今度鈴凛ちゃんのお家に行くですの」
「やった!よろしくね」
「こちらこそですの」
「お料理マシーンで作った料理,私にも味見をさせてくださいね」
「うん,もちろん」
紅茶の香りが漂う中,妹達の会話が弾む。
小一時間ほどしてから,航が言った。
「さて,休憩はそろそろ終わりにしようか。続きを始めるぞ」
「え~,もうちょっといいでしょ~」
「ダメ。休憩を取りすぎると,かえって頭が働かなくなる」
「姫,もう頭の中がいっぱいいっぱいですの」
「右に同じ~」
「・・・ここに来た当初の目的を思い出すように」
航の言葉に,鈴凛と白雪は不承不承といった様子でうなずく。
「は~い」
「はいですの・・・」
それを見て,鞠絵が航に尋ねた。
「兄上様,このお勉強会は夕食までですか?」
「ん,とりあえずそのつもりだよ。あんまり長くやっても能率は上がらないし」
「・・・だそうですよ,鈴凛ちゃん,白雪ちゃん。もう少しだからがんばりましょうね」
「晩ご飯までだったら,もうすぐだね。さっすが鞠絵ちゃん!」
「そうですの!にいさま,早くしちゃうですの!」
先程までと正反対の態度に,航が苦笑する。
「お前達なあ・・・まあいいか。鞠絵,ありがとう」
鞠絵が微笑む。
「いいえ,どういたしまして。兄上様」
※※※
「明日」と言いながら,いったい何日が経過したのか・・・orz
・・・ともあれ,その9です。続くなあ~(自分で言ってどうする)
<遅くなりましたが,コメントレスです>
>ゆたんぽさん
え~と,ひょっとしてゆたんぽさんも春歌祭りに参加されてましたか!?
私の恥ずかしいコメント群をご覧になったわけですね・・・(//ω//)キャッッ
それはさておき,四葉ちゃんにも熱狂的な兄チャマが多いので,次回の祭りも楽しみだったりします。
・・・ちなみに,私はうpする画像のセレクトが終了しました。ふっふっふっ
あと,ご依頼の件了解しました。今後ともよろしくです。チェキ!
>私だ!さん
ギャルゲ板には私もよくお邪魔してますが,まったりとした雰囲気で流れてますよね~
きっと大人の兄(呼び方×12)が多いのでしょう。
VIP板の兄(呼び方×12・・・ってクドい!)を生温かく見守ってもらいたいものです。
ちなみに私の心の中では,鞠絵に関してはいつもこんな(↓)テンションです。
〃⌒⌒ヽ.
i ノリノ )))〉
! (||○_○リ
(v)つ⊂ハ
〈/,'^!ヽ
/ ̄ー'ー' ̄\
/,/-_-_-_-_-_ \ わっしょい!
( ( /,, /― ((神輿))―\ わっしょい!! //
(。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@ ) )
∩ヽヽ∩ヽXXXXXXXX/ .∩
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†人=†††¶┌┐¶††††
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( ´∀(´∀(□二二( ´∀( ´∀( ´∀`).□´∀` )Д´)□∀`)
( |つ⊂|_ | | ノつつ|祭)~| |祭) ̄||祭) ̄|つ ⊂|_((|祭)~ノ | ) )つ
〓_| |__〓」 〓_|=|_ 〓__ノ 〓二ノ〓二ノ) ( / (L〓|〓二|〓=〓ヽ
し'し' (_(_ し(_) (_)_)し(_)し(_)(_(_,(_)(_)し' (_)
鞠絵がものすご~く迷惑そうですけど(笑)
(その1 検証者達のティーパーティー)
「散らかっていますが・・・」
そう言いながら鞠絵は自室のドアを開けた。
「ぜ~んぜん。アニキの部屋よりはず~っとキレイだよね」
「にいさまのお部屋は本だらけですの。足の踏み場もないですのよ」
と,鈴凛と白雪による容赦ない言葉が航に浴びせられる。
「せめて研究熱心といってくれ」
航がささやかに抵抗するが,妹達は聞いていなかった。
「アニキ,『お掃除マシーン・ポイポイくん1号』を貸そうか?」
「その気持ちだけもらっておくよ。なんか片っ端から捨てられそうだ」
「あ,バレた?ゴミの分別には便利だよ」
「全部必要な本だから,捨てられたら困る!」
「でもあれだけ本があると,そのうちにいさまのお家の床が抜けるですの」
「分かってるんだけどね・・・」
そのやり取りを聞きながら,鞠絵は部屋の中央にある応接セットに3人を招いた。
「・・・どうぞこちらへ」
鞠絵の肩が小さく震えている。
顔をそむけているところを見ると,声に出して笑いそうになるのを我慢しているのだろう。
「あのさあ,鞠絵ちゃん」
鈴凛がニヤニヤしながら声をかける。
「・・・はい,なんですか?」
「我慢しない方がいいと思うよ。笑いたい時に笑っちゃえば?」
「いえ,でも兄上様に失礼ですし・・・」
「我慢されている方が失礼だってばさ。ね,アニキ」
「そうですの。我慢は健康に悪いですのよ」
「お前達はもうちょっと遠慮というものを覚えてくれ」
「へ~い」
「は~いですの」
「まったく心がこもっていない返事をありがとう」
航が憮然とした口調で言った。
耐えきれず鞠絵がクスクスと笑い出す。
「あのね・・・」
「あ・・・ごめんなさい,兄上様」
そう言いながらも鞠絵の目は笑っていた。
「いや・・・別にいいけどね・・・ところで鞠絵,紅茶をお願いできるかな?しゃべりすぎてのどが渇いたよ」
「先程は航先生の授業でしたからね。何がいいですか?」
「そんな立派なもんじゃないけど・・・アッサムがいいなあ」
「わかりました。じゃあミルクティーにしますね」
「よろしく」
「あ,姫も手伝うですの」
「私も何か手伝えることない?」
「じゃあ,スコーンを出してもらえますか?」
「了解!」
「えーと,俺は・・・」
「兄上様はお座りになってお待ちくださいね」
「そうですの。にいさまは座っててくださいですの」
「つまりジャマってことかな・・・」
「はいはい。アニキはここに座る」
鈴凛が航の背をぐいぐいと押して,ソファーに座らせた。
鞠絵と白雪が,ポットから紅茶を注ぐ。
鈴凛がスコーンをバスケットに盛りつける。
「アニキ,準備できたよ~」
「じゃあ,いただこうかな」
「はーい」
妹達の声が重なる。
白雪が一口スコーンをほおばり,驚きの声を上げた。
「このスコーンおいしいですの!」
「白雪ちゃんにそういってもらえるとうれしいです」
鞠絵がうれしそうに微笑む。
「鞠絵ちゃんが作ったんですの?」
「はい。お料理教室で・・・」
「むむむ,姫も油断できないですの。もっとがんばらなくちゃ,ですの」
白雪が考え込む。それを見て鈴凛が言った。
「うーん,料理か・・・私も『お料理マシーン・スーパーシェフくん1号』を改良しようかなあ」
「サンドイッチ以外の料理ができるようにな」
航にそう指摘され,
「うう,それを言われると・・・レシピはネットからいくらでもダウンロードできるのにさ,いざ料理を始めるとうまくいかないんだよね~。なんでだろ?」
と,頭を抱える。
「同じ食材を使っていても,季節とかで微妙に火加減を変えるって話は聞くしな。調理方法なら,白雪にも見てもらったらどうだ?」
「あ,そっか。白雪ちゃん,協力してくれる?」
「いいですのよ。今度鈴凛ちゃんのお家に行くですの」
「やった!よろしくね」
「こちらこそですの」
「お料理マシーンで作った料理,私にも味見をさせてくださいね」
「うん,もちろん」
紅茶の香りが漂う中,妹達の会話が弾む。
小一時間ほどしてから,航が言った。
「さて,休憩はそろそろ終わりにしようか。続きを始めるぞ」
「え~,もうちょっといいでしょ~」
「ダメ。休憩を取りすぎると,かえって頭が働かなくなる」
「姫,もう頭の中がいっぱいいっぱいですの」
「右に同じ~」
「・・・ここに来た当初の目的を思い出すように」
航の言葉に,鈴凛と白雪は不承不承といった様子でうなずく。
「は~い」
「はいですの・・・」
それを見て,鞠絵が航に尋ねた。
「兄上様,このお勉強会は夕食までですか?」
「ん,とりあえずそのつもりだよ。あんまり長くやっても能率は上がらないし」
「・・・だそうですよ,鈴凛ちゃん,白雪ちゃん。もう少しだからがんばりましょうね」
「晩ご飯までだったら,もうすぐだね。さっすが鞠絵ちゃん!」
「そうですの!にいさま,早くしちゃうですの!」
先程までと正反対の態度に,航が苦笑する。
「お前達なあ・・・まあいいか。鞠絵,ありがとう」
鞠絵が微笑む。
「いいえ,どういたしまして。兄上様」
(つづく)
※※※
「明日」と言いながら,いったい何日が経過したのか・・・orz
・・・ともあれ,その9です。続くなあ~(自分で言ってどうする)
<遅くなりましたが,コメントレスです>
>ゆたんぽさん
え~と,ひょっとしてゆたんぽさんも春歌祭りに参加されてましたか!?
私の恥ずかしいコメント群をご覧になったわけですね・・・(//ω//)キャッッ
それはさておき,四葉ちゃんにも熱狂的な兄チャマが多いので,次回の祭りも楽しみだったりします。
・・・ちなみに,私はうpする画像のセレクトが終了しました。ふっふっふっ
あと,ご依頼の件了解しました。今後ともよろしくです。チェキ!
>私だ!さん
ギャルゲ板には私もよくお邪魔してますが,まったりとした雰囲気で流れてますよね~
きっと大人の兄(呼び方×12)が多いのでしょう。
VIP板の兄(呼び方×12・・・ってクドい!)を生温かく見守ってもらいたいものです。
ちなみに私の心の中では,鞠絵に関してはいつもこんな(↓)テンションです。
〃⌒⌒ヽ.
i ノリノ )))〉
! (||○_○リ
(v)つ⊂ハ
〈/,'^!ヽ
/ ̄ー'ー' ̄\
/,/-_-_-_-_-_ \ わっしょい!
( ( /,, /― ((神輿))―\ わっしょい!! //
(。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@ ) )
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し'し' (_(_ し(_) (_)_)し(_)し(_)(_(_,(_)(_)し' (_)
鞠絵がものすご~く迷惑そうですけど(笑)
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▼この記事へのコメント<(あれば表示)
はい、私も寝落ちしながら参加してました♪
鞠絵メニューに睡眠薬を盛ったのと
鈴凛ちゃん作のウェディング鞠絵の婿宣言は私の犯行です。
私は工場勤務で仕事中は携帯も使えませんが、次回も週末なので限界まで参加しようと思ってます。
鞠絵メニューに睡眠薬を盛ったのと
鈴凛ちゃん作のウェディング鞠絵の婿宣言は私の犯行です。
私は工場勤務で仕事中は携帯も使えませんが、次回も週末なので限界まで参加しようと思ってます。
2008/06/02(月) 22:16:49 | URL | byゆたんぽ (#H1hVtvJI) [ 編集]